山登りのプロが教える!栗駒山のおすすめルートと楽しみ方(宮城、岩手、秋田)

山登りって聞くと「慣れた人が行くもの」「山道がツライ」という少しハードルが高いイメージがあるのではないでしょうか?

ここでは、山登りやスキーが趣味で毎週土日に出かけている筆者がおすすめの山登りルートや楽しみ方をお伝えできたらと思います。

今回は筆者が撮影した栗駒山の写真と共にお楽しみください。

栗駒山の概要

宮城、岩手、秋田の三県の県境が接する個所に山頂が頭をもたげる、1626mの独立峰である。周囲より一層背の高いその姿は、相当遠くからでも視認でき、天気の良い日には仙台の街中からもその雄姿を眺められる。

四方から登山道が伸び、特に宮城県側のいわかがみ平および岩手県側の須川温泉からのルートはよく整備されており、難易度もそれほど高くない。駒の湯や湯浜を始め、様々な温泉が周りを取り囲むが、中でも須川温泉は、少し熱めの硫黄泉が轟音とともに川となって流れる、圧倒的な湯量を誇る温泉であり、その迫力は一見の価値がある。

筆者のおすすめルート

東栗駒→中央ルート(距離6.4km、累積標高差530m)

私は仙台在住である。そんな私が、宮城県で最も眺めがよい場所はどこかと問われたならば、わずかな逡巡の末に秋の栗駒山と答えるだろう。

9月下旬から10月上旬にかけて、ナナカマドやモミジの赤やカエデの黄色に彩られ、山全体が色付く様は筆舌に尽くし難い程豪華絢爛である。多くの岳人から「紅葉日本一の山」と呼ばれる光景は、何度でも足を運びたくなる。

この紅葉を味わい尽くす行程として、宮城県側のいわかがみ平を起点とし、東栗駒ルートから登り、中央ルートにて帰還する反時計回りのルートを推奨したい。なお、この時期に好天の日があれば、登山口は非常に混雑するため早朝の出発を心掛けたい。

レストハウスの東側から延びる道はいつもぬかるんでいるため、ゲイターの装備を推奨したい。木立に囲まれた湿った道を1kmほど歩くと、新湯沢の渡渉点に辿り着く。200mほどの沢登りの始まりである。

浅く、足場となる岩も多いが、足を踏み外すと靴を中まで濡らすこととなるので、注意が必要である。この沢の下りの難易度が高いことが、反時計回りのルートを推奨する所以である。

沢を登り切ると途端に灌木帯が広がり、独立峰ならではの広大な眺めが広がるが、最も目を引くのは、錦秋に染まった山頂であろう。写真を撮影するのに丁度良い距離感となっているので、気の済むまで撮影に勤しもう。

絶景の中を進み東栗駒山のピークを越えると、山頂直下の鞍部へとたどり着く。ここからの急登が本ルート一番の難所である。小刻みに、ゆっくりと足を動かし続けよう。

山頂からは360度の景色が楽しめる。北に広がる焼石連峰や鳥海山、西の月山の眺めも言うまでもないが、主役は最高地点から見下ろす極彩色の紅葉である。真っ赤な絨毯のような色付きが麓まで続く眺めは、いつまで眺めていても飽きが来ない。

帰りは、その真っ赤な絨毯を突っ切る中央コースで下山しよう。石畳でしっかりと整備され、スニーカーでも歩ける道のりだ。

サブルート

岩手県側の表玄関である須川温泉から登る際には、帰りに少し西へ足を延ばし、秣岳を通る周回ルートを進むと良い。

なだらかな泥炭状の天馬尾根の先には、白銀草原と呼ばれる草原地帯が広がり、一面の草紅葉は黄金のような輝きを見せてくれる。

 

栗駒山へのアクセス

公共交通機関を利用される方

東北新幹線 東京駅から「くりこま高原駅」まで約3時間30分
くりこま高原駅から車・タクシーで約42キロメートル、約1時間

自家用車を利用される方

東京から約6時間

東北自動車道で若柳金成IC出口を金成/栗駒方面の国道4号に向かって進む

期間限定運行バスの利用も可能

栗駒山の登山口である「いわかがみ平」までは、ニッコウキスゲの見頃時期や、紅葉時期に合わせた期間限定の特別運行バスが走る場合があるそうです。詳しくは、下記までお問い合わせの上、ご確認ください。

一般社団法人栗原市観光物産協会

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