ヨガのアーサナは、完成させるまでの過程の中でポーズを維持している間に内に集中しながらもいかに身体の外へと拡張していけるか?というところがとても大切な部分です。
運動量や、難易度が高い低いは関係なく、どんなポーズにも同じことが言えます。全てを丁寧にやるとはそういうことなので、その日その時の身体や心のコンディションなど自分の内に意識を向け繊細に感じることができていれば、「このアーサナ飽きた」ということにはなりません。
今回は、特に経絡や経穴を意識したアーサナを行います。
サンスクリット語のヨガ用語でナディとも呼ばれたりしますが、人間の身体には、臓器一つ一つに繋がる気の流れ道があります。大気中のプラーナを身体に入れていき、それを、手や足、どの経路に送るかといった作業を行います。
その気の流れ道を活発にさせることで、エネルギーが高まってくる感覚を感じたり、落ち着きが取り戻せたり、時間がゆっくり流れる感覚になったりと様々な効果効能を感じますが、どんなかたちで現れるかは様々です。結果にこだわらずに、呼吸に意識を向けているかどうかが、結果的に大きな差をうむでしょう。
ゴームカアーサナ(牛面のポーズ)
足を絡めて足の甲をゆかに寝かせ、足の指先が外に出るのが正面から見た時に牛の耳に見えることから牛面のポーズと名付けられました。
下半身だけでなく腕を後ろで絡め合うことで、肩甲骨の柔軟性や肩の可動域を広げ、肩甲骨周りの血行促進と代謝アップの効果。脇の下のリンパ節を刺激し、二の腕の引き締めや浮腫の改善にも効果的です。
手順
- 足を前に伸ばし、左足を右足にかけます。
- 右足は外側に回して踵をお尻の方に置きましょう。
- 上の方の足は足の甲を寝かせて、お尻の方に引き、左右のお尻を均等に床につけます。
- 右腕を上、左腕は下にして背中の後ろで両手の指先を絡めます。(指先が届かない方はタオルを持って後ろで軽く引っ張り合うようにします。)
- 上の方の肘で天井を押すようなイメージ。
- 胸を開いて3〜5呼吸ホールド。
- 戻るときは両手を解放してから、足を前に戻しましょう。(反対も行う。)
ポイント
- 腰がどちらかに偏ってお尻が上がったり上半身が崩れたりしないよう、坐骨と坐骨の間がきちんと上から真下に床に降りるように意識します。
- 肩周り、股関節などを痛めている場合は避けましょう。