標高1,500mの上高地は長野県松本市安曇野の高原。日本有数の観光地として知られていますが、実はハイキングコースとしても人気のルートがたくさんあります。マイカーの乗り入れを厳しく制限しており、アクセスするには公共交通機関が必須ですが、東京駅からならアクセス方法が豊富なので安心ですね。
この記事では、上高地の景勝地をめぐるおすすめのハイキングコースを紹介します。ハイキング後に楽しめる一押しグルメや宿泊施設の情報も合わせて参考にしてくださいね。
日帰りハイキングを楽しもう!
引用:写真素材 四季
上高地ハイキングの魅力はこれ!
日本百名山、新日本百名山、花の百名山に選定
引用:PAKUTASO
上高地は穂高岳連邦のはじまり、最高峰の奥穂高岳は日本百名山・神日本百名山・花の百名山のひとつに選ばれた雄々しい山。登頂するのは難しくとも、それらの絶景や高山植物を観察できるのが上高地でハイキングをする最大の楽しみです。
川や池にまで映し出される綺麗な紅葉
引用:PAKUTASO
上高地の紅葉が特に美しくなる時期は10月後半。中旬には北アルプスが初冠雪を迎え、川や池は色とりどりの錦を浮かべたようにキラキラ輝きます。大正池のカラマツ紅葉は10月下旬が、上高地バスターミナルや梓川左岸沿いは11月上旬までが見頃です。
山に暮らす貴重な生き物たちと出会える
引用:photoAC
上高地では貴重な生物を観察するチャンスがたくさんあります。ニホンカモシカやオコジョ・ヒメネズミなど普段は出会えない哺乳動物が多く生息しています。両生類や爬虫類・魚類などさまざまな種が生息しており、梓川上流では在来種のニッコウイワナを観察できるかもしれません。
※ 野生生物を見かけても、絶対に触ったりエサを与えないようにしましょう。
初心者OK!上高地のハイキングルート4選
引用:photoAC 東京駅から特急あずさに乗車して約2時間40分、松本駅まで移動します。松本駅最寄りの松本バスターミナルからは路線バスの旅です。 坂巻温泉や中の湯を通り過ぎ、1時間30分ほどで大正池バス停に到着します。 大正池から河童橋までの上高地観光のハイライトコースを縦断する約3kmのハイキングコースです。のんびり歩いて1時間20分ほどのコースが整備されており、スニーカーや歩き慣れた靴でOKです。 大正池バス停から田代池・田代湿原を経て梓川左岸ルートへ。森の中のコースを30分ほど歩いて河童橋に到着します。 引用:photoAC 上高地のハイキングで最も人気のコースで、見所は河童橋から見る穂高連峰の絶景です。時期を問わず美しい梓川の流れと、静かでも迫りくるような山々は他では見られません。 焼岳を映す大正池から湿地や原生林を抜けると田代池が見えてきます。左岸コーストの分岐点はニッコウキスゲの群生地があり、7月〜8月には一斉に開花します。 河童橋から1kmほど下流にある『上高地温泉ホテル』では日帰り温泉が利用できます。露天風呂もおすすめですが、実は樽風呂がイチオシ!木の香りがよく貸し切り感覚でゆったり浸かれますよ。入り口に足湯もあるので入り比べても楽しいですね。大正池〜河童橋ルート
東京駅からのアクセス
下山までのコースタイム
道中のオススメポイント
下山後のお楽しみ観光
引用:photoAC 東京駅から北陸新幹線に乗車し、およそ1時間50分で長野駅に到着します。長野駅からはアルピコ高速バスのせせらぎ号に乗車しましょう。 約2時間55分で上高地バスターミナルに到着します。アルピコ高速バスは予約制なのでご注意ください。 上高地の雰囲気を満喫できる約4kmのルートを2時間ほどかけて歩くハイキングコースです。観光バスも停車する上高地バスターミナルをスタートし、河童橋からは梓川右岸を進みます。 20分ほどでウェストンレリーフに到着、その後は霞沢岳を眺めながら15分ほど歩けば田代橋が見えてきます。帰りは左岸コースの林間ルートを歩いて河童橋でゴールです。 引用:photoAC スタートから25分ほどで到着するウェストンレリーフは、日本近代登山の父とも称されるW・ウェストンをたたえ、1937年に掲げられたものです。宣教師であるウェストンが紹介した上高地の魅力を、レリーフ周辺の眺めからも感じることができます。 折り返し地点ともなる田代池は、氷点下でも薄氷しか張らない神秘的な池。伏流水が湧き水となってたまる池の底は流れが穏やかなため、冬季には周辺の木々につく霧氷と池から立ち上る霧で幻想的な光景が見られます。 田代池のすぐそば、梓川を望む河畔に建つ『上高地ルミエスタホテル』のランチはいかがですか?しっとりジューシーなビーフステーキカレーがおすすめで、ハイキングの後の空腹を満たすだけでなく疲れまで吹き飛びそうな美味しさですよ。ランチとスパ入浴のセットコースもおすすめ!河童橋〜田代池ルート
東京駅からのアクセス
下山までのコースタイム
道中のオススメポイント
下山後のお楽しみ観光
引用:photoAC 東京駅八重洲南口から上高地バスターミナルまで、アルピコ高速バス さわやか信州号で行くことができます。 季節限定で運行されている直行バスで、所要時間は道路状況にもよるため6〜7時間必要です。 上高地バスターミナルを出発し、梓川の起点とされる横尾まで歩く3時間のコースです。梓川右岸から明神橋を渡って左岸コースへ、全長9kmで登山ほどの起伏はありませんが、時期によって服装をやや厚めにすると良いでしょう。 徳沢の草原を抜けるとそこから先は林道を進むのでトレッキングシューズが必要です。1時間ほど歩くと、穂高岳への登山道に続く横尾大橋があります。 引用:photoAC 針葉樹林に囲まれた神聖な雰囲気の森の中で静かに光る古池の美しさが見所です。鏡のような水面を持つ小さな池ですが、じっとみていれば底から水が湧き出てくる様子を目の当たりにすることができます。 また、古池・明神池ではマガモやオシドリに出会えるチャンスもあり、時期が良ければ美しい色合いの羽根を観察することができるでしょう。可憐な高山植物と同時に屏風岩や前穂高岳の急峻な岩場も見える、一度で二度も三度もおいしいハイキングコースです。 水が美しい上高地に来たら、絶対味わいたいのが川の幸!『上高地 明神館』の岩魚定食は塩でじっくり焼き上げた香ばしさが格別です。魚が苦手な人でもつられて食べてしまうほどおいしく、焼き上がるまでの時間が待ち遠しいですよ。明神〜徳沢ルート
東京駅からのアクセス
下山までのコースタイム
道中のオススメポイント
下山後のお楽しみ観光
引用:PAKUTASO 東京駅から特急あずさに乗車するか、新宿バスターミナルまで移動して高速バスで松本バスターミナルまで行くことも可能です。 最寄りの松本駅から松本電鉄に乗り込んだら、約30分で到着する新島々駅で路線バスに乗り換え。1時間ほどで上高地バスターミナルに到着します。 大正池をスタートして梓川に沿って田代池・明神池を経由し、明神橋から河童橋へと進むハイキングコースです。全長約10kmを4時間かけてゆったりと歩けるので、初心者のちょっと長めの日帰りルートにおすすめですよ。 上高地の主な見所をすべて訪れられる周遊コースのようなルート。ゴールの河童橋は上高地バスターミナルのすぐそばなので「帰りの体力が心配」という人にも安心です。 引用:photoAC 大正池・田代池・明神池と、上高地で最も美しい水の景観を満喫しましょう。ハイキングコースは自然研究路や自然探傷道などの整備された遊歩道が続くので、足元を気にせず自然を楽しむことができます。 河童橋まで歩くとほぼ1時間、自然探傷道に入って約1時間ほどで明神池へ到着します。山の安全を司る穂高神社奥宮の神域で、それまでの道のりとはガラリと雰囲気が変わって神秘的。写真を撮るなら明神橋手前から明神岳を狙うのがおすすめです。 河童橋の手前にあるキャンプ場『上高地森リゾート小梨』の大浴場で汗を流せば気分爽快!温泉ではありませんが、長距離のハイキングの後にはやっぱりお風呂はマストですよね。入浴後は食堂や売店で、旅の思い出にお土産を購入するのも楽しみです。大正池~明神橋ルート
東京駅からのアクセス
下山までのコースタイム
道中のオススメポイント
下山後のお楽しみ観光
一泊するならココのホテルがおすすめ!
明神〜徳沢コースのゴール地点にあるのが氷壁の宿 徳澤園。穂高岳を舞台にした井上靖の山岳小説「氷壁」の舞台となった宿です。一見すると山小屋風に見えますが、一歩中に入ればイタリア製の調度品が並ぶレトロな洋館。日常を離れてノスタルジックな雰囲気に浸ってみませんか?氷壁の宿 徳澤園
まとめ
上高地のおすすめハイキングコースを紹介しました。河童橋を中心に、上流へルートを取るならトレッキングシューズを着用しましょう。7月・8月は上高地でも気温が23℃まで上昇しますが、寒さにも対応できるようなシェルジャケットを持っておくと良いですよ。日帰りでも宿泊でも楽しめる、上高地でのハイキングを満喫してください!