山登りのプロが教える!中央蔵王 熊野岳のおすすめルートと楽しみ方|宮城県・山形県

山登りって聞くと「慣れた人が行くもの」「山道がツライ」という少しハードルが高いイメージがあるのではないでしょうか?

ここでは、山登りやスキーが趣味で毎週土日に出かけている筆者がおすすめの山登りルートや楽しみ方をお伝えできたらと思います。

今回は筆者が撮影した中央蔵王 熊野岳の写真と共にお楽しみください。

山の概要

宮城県と山形県のほぼ真ん中に位置する蔵王連峰は、最高峰である熊野岳(1840m)を中心に南北20km以上に広がる、1500mを超える火山が連なった、巨大な山塊である。

湯量の豊富な名湯や巨大なスキー場を抱え、夏には高山植物を、冬には樹氷原を求め多くの人が詰めかける、両県有数の観光地となっており、老若男女に愛される名峰である。

 

中央蔵王縦走ルート(距離8.7km、累積標高差450m)

私は仙台に住んでおり、職場でも登山好きを公言している。そのため友人や同僚から、「登山を始めてみたいが、どこから登り始めれば良いか」という質問をよく受ける。そんな時私がいつも勧めるのが、この蔵王の縦走である。蔵王連峰は、概ね北、中央、南の3つのエリアに分けられる。

その中で最も世俗化が進み歩きやすいエリアが、熊野岳を中心とする中央蔵王である。南には観光道路のエコーライン、北にはスキー場のロープウェイが整備され、森林限界を超えた見晴らしの良い高度まで文明の利器でアクセスできることから、特別な技術も人並み以上の体力も要せず、登山の醍醐味である絶景の稜線歩きを楽しめるのだ。登山の美味しいところを凝縮した体験は、新たな登山ファンの誕生に大きく寄与してくれるだろう。

今回は、山形県側の蔵王温泉からスタートし往復するルートを紹介したい。

横倉ゲレンデから蔵王ロープウェイを乗り継ぐと、あっという間に1663mの蔵王山頂駅へと到着する。駅から表に出ると、冬に広大な樹氷原を作り出すアオモリトドマツ林の先に、大きなお地蔵様の姿が見える。ここで安全祈願をしたら、南側の地蔵山に向けて出発しよう。

十分足らずのハイクアップで辿り着く山頂は眺望が開け、これから向かう熊野岳や背後の北蔵王の稜線の雄大さを感じられるだろう。天気の良い日に村山盆地方面へ目を向ければ、正面には屏風のような朝日連峰が広がり、南側には同じく長大な飯豊連峰や吾妻連峰の姿が、北側には月山や鳥海山の姿が眺められる。

そしてこの絶景は、このルートを歩いている間、常に私たちの目を楽しませてくれる。普通であれば、数時間の登攀の末にようやく巡り合える景色にも、ここではほんのわずかな時間歩くだけで辿り着けるのである。地蔵山を過ぎれば、熊野岳まではゆったりとした稜線歩きが続く。森林限界を超え広々とした眺めを堪能しながら、焦らずに歩こう。

熊野岳の山頂は、社と避難小屋が設営された平らで広い台地となっている。山頂へたどり着いた途端、稜線の向こうから荒々しくも美しい御釜が姿を見せる。この瞬間は衝撃的であり、忘れえぬ思い出となるだろう。

御釜を眺めながら馬の背を進むと、中央蔵王の南端でエコーライン最高地点である刈田岳に辿り着く。ここで休憩を取ってから、来た道を戻ろう。横倉ゲレンデまで戻ったら、少し足を延ばし大露天風呂で汗を流すと良い。自然に囲まれた川のように溢れる源泉は、開湯以来1900年に亘り多くの人に愛されてきた蔵王温泉の原風景とも言え、一日の疲れを癒してくれるだろう。

サブルート

 体力に余裕があり、ロープウェイ代を節約したい場合には、地蔵山直下のワサ小屋跡から、西側の分岐を辿ろう。山麓線と山頂線の連絡駅となる、ユートピアゲレンデへ向かう道が通じている。

眺めの良い稜線から一変し、樹林帯を進むことになるが、ユートピアゲレンデ付近のイロハ沼は開けた湿地帯となっており、多くの花を楽しめる。

中央蔵王 熊野岳へのアクセス

公共交通機関をご利用の方

山形駅前から山交バスで「蔵王刈田山頂(お釜)」で下車

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