朝と夜、食前と食後、運動するのはいつが適しているの?♯27

教えて小山先生!第27弾の今回は「運動するなら朝と夜どっちが効果的か?」「食前と食後どちらに運動するのがベストか?」をVells編集部が小山先生に聞いてみました!

朝が良いと言う人もいれば、夜寝る前の方が良いと言う人。。。色んな考えを目にしますよね。

皆さんは、運動するベストなタイミングってどこなのか知っていますか?

小山 啓太 

トレーナー歴20年。NATA-ATC。2020年よりエビジムのトレーナーに。

1978年1月22日生まれ。北海道札幌市出身。立正大学法学部を卒業後アメリカに渡り、エンポリア州立大学大学院スポーツ医科学専攻課程と、セントラルミシガン大学大学院運動科学専攻課程を修了。オリンピック選手やプロのアスリートのトレーナーとして活躍。障害者スポーツについて学び、帰国後は群馬大学にて教鞭を取り、運動と脳の働きを研究。2018年英国ケンブリッジ大学での世界教育会議にて最優秀研究発表賞受賞。プロアスリート、モデルや芸能人から一般の方まで幅広く正しい体の使い方、運動法や生活習慣の指導を行っている。

体や脳、運動に関する著書も多数執筆。『0歳からのボール遊び運動 "投げる"が脳と体を育む』『野球選手のTHE肉体改造』『現代社会のスポーツ総合学 1―スポーツとともに生きるエキスパート達の提言 (グリーンブックレット)』他

朝と夜、食前と食後、運動するのはいつが適しているの?

あなたは朝方?それとも夜型?まずは双方のメリット、デメリットを見てみましょう。

朝型運動のメリット・デメリット

朝運動のメリット

  • 全身の血行を促進し脳神経の覚醒を促すことで一日の活動効率を高める
  • 代謝を高めることで特に脂肪燃焼を促す
  • 朝食に健康的な食事を選択するようになる
  • 夜更かしを避けるようになる(早寝早起きの習慣化
  • 血圧、脈拍などを安定させる
  • 柔軟性が20%高くなり、肩こりや腰痛を和らげる

朝運動のデメリット

  • 体温が低いため十分なウォームアップしないとケガする
  • やる気と集中力を高めるのに労力が必要

朝運動派の特徴

朝の運動は一日の総活動量を引き上げ、体力の向上、健康的な生活習慣の質向上に効果が期待できるが、モチベーションを高めるのに労力を要する。

編集部 名波
朝に運動って健康そうだけど後が疲れてしまうマイナスなイメージがあったけど、一日の活動効率が良くなるなら逆にすごくプラスなことですね!

 

夜型運動のメリット・デメリット

夜運動のメリット

  • 夜の方がトレーニングの質が高くなりやすい。(ハードトレーニングになる)
  • 持久力は夜の方が伸びる(肺の最大効率は夕方から夜とされる)
  • スピードとパワーが最大発揮できるのは午後5とされる
  • タンパク質合成が高まる
  • 体温が高いためウォームアップが短くて済む
  • テスタスタロン(男性ホルモン)の分泌が多い(朝に比べて)

夜運動のデメリット

  • 一日の疲労やストレスから集中力、思考力が低下する
  • 他の誘惑、選択肢(友人、仕事、飲み会、テレビなど)が多くなり継続性が低下する
  • トレーニングがハードになりすぎてケガしたり睡眠が妨げられる

夜運動派の特徴

夜の運動はすでに体温が高く、マラソンや、筋トレをハードに行うのに向いているが、毎日継続するのが難しく、遅い時間になりすぎると睡眠の妨げになってしまう。

編集部 名波
確かに昼間に動いているから、夜に運動する時はウォームアップが短くて済むのは良いですね。遅い時間にやった方が、疲れでグッスリ眠れそうなイメージなのに逆に睡眠の妨げになっちゃうなんて!

 

運動するなら朝7時がベスト!

午前と午後でどちらが運動するのに適しているかを調べた研究では、午後1時から午後7時の間に行う運動よりも、ベストタイムは朝7であり、睡眠の質が良くなり、あらゆる生活習慣を改善し、健康的になると報告しています。

また、朝食前に運動すると、その日一日の脂質代謝を促し、エネルギー産生が効率的になるとしています。

では、夜に運動するのは良くないかというとそうではなく、夕方4時から夜7時までが、運動のパフォーマンスがもっとも出しやすい時間帯と言われますので、その時間帯にトレーニングを行えば、能力を高めることができます。

ただし、8時以降の激しい運動は良質な睡眠の妨げになるとされています。

編集部 名波
朝の7時に運動する事で、睡眠の質や生活習慣を含めて健康になれるってすごい!朝が忙しくて運動できないって人は、夜でも時間さえ考えて行えば普段より効率良くトレーニング出来るんですね。

 

痩せたいのなら運動するのは食事の前!-3つの理由-

ダイエットしたいのならば、運動するのは食事の前がおススメです。大きな理由が3つあります。

  1. 食事の前に運動を行うことで、体内に貯蔵されている糖質や脂肪を消費できます。
  2. 運動することによりインスリンの働きを良くし血糖値の安定を促し太りにくい体質になります。
  3. 運動することでグレリンという空腹感をもたらし食欲を促すホルモンの分泌を抑える効果があるため、食べすぎを抑制できます。

食事のあとはしっかりと消化することも大切ですし、心理的にも食事の前に運動することが食べる選択肢を健康志向へ導くともいわれます。

ダイエットは短期的に急激に行うのがもっともリバウンドが大きく、健康を害します。長い目で見ても、運動するなら継続しやすい食事の前がおススメですね。

編集部 名波
お腹が減っていたら力が出ない気がしていたので、食後の方がエネルギーあって良いのかと思っていたのでビックリしました。ダイエットをリバウンドをせずにしっかり成功させたいなら、急がずゆっくりやることが成功のためのポイントですね!ダイエットで体調を悪化させるのは、元も子もないですからね。

 

運動は長くやるよりも短くやるのが効果的!

ダイエットに深く関係する代謝を上げるには、長時間運動するよりも短時間の方が基礎代謝の向上に適しています。

また、長時間の運動は、たくさん運動した心理効果も働き食事の量が増えてしまう傾向があり、一方で日常生活での運動外の活動量が減少し、総体的な消費カロリーが低下するとされます。

何よりも、短時間の運動の方が、圧倒的に運動継続率が高いのです。運動を習慣化するにも短時間の運動がおススメなのです。

最重要ポイントは?

運動は、毎日継続することが最も重要!一日だけ長い時間かけて運動するよりも、短い時間でも毎日決まった時間に運動すると脳神経の働きも良くし、体力向上、ダイエットの成功につながります。朝でも夜でも、日常生活の中で、自分自身が継続して必ず行うことができる時間帯を決めて習慣的に運動することがもっとも効果的です。

 

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