教えて小山先生!第二弾の今回は「30歳からダイエットで体重が減りづらくなる」「30歳から体力がなくなる」など10代や20代の時によく言われた・よく聞いた噂は本当なのか?Vells編集部が小山先生に聞いてみました!
分かりやすく、簡単に解説してくれているので、通勤や通学の電車の中・空き時間に読んでみてはいかがですか?
小山 啓太
トレーナー歴20年。NATA-ATC。2020年よりエビジムのトレーナーに。
1978年1月22日生まれ。北海道札幌市出身。立正大学法学部を卒業後アメリカに渡り、エンポリア州立大学大学院スポーツ医科学専攻課程と、セントラルミシガン大学大学院運動科学専攻課程を修了。オリンピック選手やプロのアスリートのトレーナーとして活躍。障害者スポーツについて学び、帰国後は群馬大学にて教鞭を取り、運動と脳の働きを研究。2018年英国ケンブリッジ大学での世界教育会議にて最優秀研究発表賞受賞。
体や脳、運動に関する著書も多数執筆。『0歳からのボール遊び運動 "投げる"が脳と体を育む』『野球選手のTHE肉体改造』『現代社会のスポーツ総合学 1―スポーツとともに生きるエキスパート達の提言 (グリーンブックレット)』他
筋肉量が減ってしまう
人間のからだはある頃を境に、毎年3-8%もの筋肉が失われていくと言われます。その境界線とされる年齢が30歳なのです。これをサルコペニアと言います。
筋肉量が減ればカロリー消費は減り、基礎代謝は下がっていき、太りやすくなると考えられますので一理あるかもしれませんが、もっと重要なのは次です!
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歳をとると「こころ」が動かなくなる ⁉︎
もっとも重大な問題は、大人になると動かなくなるということです。最近の研究では、加齢による筋肉量の減少よりも、日常の活動量の減少が、歳をとると太りやすくなる大きな要因であるとしています。
歳をとったからと、怠惰になったり、自制したり、ブレーキをかけたり、効率性や、省エネを考えて動こうとしなくなる思考の方が問題なのだと結論付けているのです。
子どものころや、若い頃、好奇心旺盛に動き回り、歩く距離や運動機会が多かった分だけ身体運動でのカロリー消費も大きかったわけです。動きが減ったのに、食べる量が変わらなければ太るのは当然です。
つまり、例え30歳を過ぎても、若いころのように積極的に動いていれば体重のコントロールも、体力の維持もできるというこです。
ホルモンバランスが変わる
人間はからだの変動期にホルモンのバランスが崩れます。女性はエストロゲンが減少すると、気分や体調の悪化から、食が乱れ、習慣的に運動することも難しくなります。
この周期の1つが30歳前後。また、近年では無理なダイエット、ストレス、自律神経の乱れから、20代30代の女性でも更年期障害に似た症状が増加しています。
カリフォルニア大学サンディエゴヘルスセンターの研究では、若年性更年期障害により、生活習慣の乱れから平均して2-3キロ太ってしまう傾向があるとしています。
また、男性でも、30歳をすぎて男性ホルモンが減少することで、筋肉量が減り太りやすくなるとされます。
性ホルモンの変化だけではなく、加齢により男女ともに成長ホルモンの分泌が減ることも筋肉量や体力の低下に影響し、太りやすい原因となります。
時々SNSで過激な食事制限を見かけることがあるのですが、こういうことが若い年齢の子達でも更年期障害に似た症状を出してしまいダイエットしているつもりが体重増加になってしまうのですね。
回復力やエネルギー産生力が落ちる
食べたものや飲んだものを消化吸収して、エネルギーに変換する働きもスローダウンします。
若い頃は大好きでいくらでも食べられたものが、受けつけなくなったり、もたれてしまったり、、、
からだの中でのタンパク質の産生も低下していきますので、筋肉のリカバリー、疲労の回復も遅くなってしまいます。
結果として脂肪の燃焼効率も下がり、逆に脂肪が蓄積されやすくなってしまいます。
精神的なストレスが増す
30歳は、からだの変動期であると同時に、人生の変動期も迎えます。取り巻く環境の変化、人間関係の変化、仕事や責務の変化、あらゆるストレスが増大する時期でもあります。
食事の時間が不規則になったり、栄養が偏りがちに。こうした時期にストレスで食べすぎたり、飲み過ぎたりした経験がある方もいらっしゃるのではありませんか?
精神的ストレスはグレリンという空腹感を助長するホルモンの分泌を促します。これにより、食べすぎ飲み過ぎを促すと考えられます。
30歳になったら、おとなの幸せを感じよう
30歳になったことで、体力が落ちた、太りやすくなったと悲観的に考えるのではなく、30歳になったからこそ、よりアクティブに動き、季節感のある大人の食を楽しみ、ストレス発散のため自分にご褒美をあげて、なんでも効率を求めるのではなく、一駅手前で下車して歩き自然の空気や風を感じるなど、小さなハッピーを喜べるおとなの余裕にあふれた日々を過ごすことが、ダイエットにも、健康や体力維持にも効果的でしょう。
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