トレーニングをし始めると「アミノ酸を摂取した方が良い」と聞きますが、皆さんは、なぜトレーニングにアミノ酸が必要なのか知っていますか?
摂取する理由や正しい摂取量が分からないままいると、せっかく摂取したアミノ酸は効果が発揮できないんです。せっかく摂取しているのであれば、トレーニングの為にも効果を発揮したいですよね。
今回も薬学資格を持つ私が皆さんにアミノ酸の基礎知識を分かりやすく教えていきます。
アミノ酸ってなぜ必要?足りていないとどうなるの?
人間の身体はタンパク質がなければ成り立ちません。髪の毛も爪も筋肉もタンパク質です。生命を成り立たせる上でタンパク質の存在は欠かせません。そしてタンパク質はアミノ酸によってつくられています。アミノ酸のおかげで人は生きていれるといっても過言ではありません。
タンパク質は多数のアミノ酸が結合したものです。人の体を作っているタンパク質は、20種類のアミノ酸から構成されています。一つのタンパク質を作り出すためにはアミノ酸の種類、数、結合の順番が決められているため、一つでも足りなくなれば、筋肉の合成や、ホルモン、血液、酵素、抗体など体を防御するための機構、生体内反応などに影響がでる可能性も出てきます。
必須アミノ酸と非必須アミノ酸の違いって何??
アミノ酸には必須アミノ酸と、非必須アミノ酸があります。必須アミノ酸は9種類存在し、体内で生成されないアミノ酸です。なので、体外から摂取する必要があります。非必須アミノ酸は、体内で生成できるアミノ酸です。体内で生成できますが、様々な働きがあるため体外からも摂取することが必要です。
▼主なアミノ酸と働き
種類 | アミノ酸名称 | 主な働き |
必須アミノ酸 | バリン | 血液中の窒素バランスの調整 |
必須アミノ酸 | ロイシン | タンパク質生合成の促進筋タンパク質の維持 |
必須アミノ酸 | イソロイシン | 神経機能補助 |
必須アミノ酸 | メチオニン | 開始アミノ酸としての役割 |
必須アミノ酸 | リジン | 身体組織修復 |
必須アミノ酸 | フェニルアラニン | 血圧の上昇 |
必須アミノ酸 | トリプトファン | コレステロール、血圧のコントロール |
必須アミノ酸 | スレオニン | 脂肪肝の抑制 |
必須アミノ酸 | ヒスチジン | ヘモグロビン、白血球の産生に関与 |
非必須アミノ酸 | アルギニン | 成長ホルモン、インスリン、グルカゴンの分泌に関与 |
非必須アミノ酸 | グリシン | 赤血球の材料 |
非必須アミノ酸 | アラニン | エネルギー源 |
非必須アミノ酸 | セリン | さまざまな酵素の部分を構成 |
非必須アミノ酸 | チロシン | アドレナリン、ノルアドレナリン、ドーパミンの材料 |
非必須アミノ酸 | システイン | タンパク質の立体構造に関与 |
非必須アミノ酸 | アスパラギン | 糖鎖の結合 |
非必須アミノ酸 | グルタミン | 免疫細胞のエネルギー源 |
非必須アミノ酸 | プロリン | コラーゲンの材料 |
非必須アミノ酸 | アスパラギン酸 | 神経伝達物質 |
非必須アミノ酸 | グルタミン酸 | GABAの材料 |
このようにアミノ酸は筋肉にとって、とても大切な役割を果たすと同時に、体外から十分に摂取する必要があります。肉や魚などにアミノ酸は含まれていますが、摂取できたとしても微量です。
また加熱するとアミノ酸はほとんど残りません。そこで、サプリで摂取し十分なアミノ酸を確保する必要があります。
正しい摂取量はどのくらい?
▼アミノ酸系サプリの例
サプリ名 | 摂取量目安 | 主な働き |
BCAA | 1日15~30g | 筋肉の分解を抑える |
EAA | 1日10~15g | 筋肉の合成を助ける |
グルタミン | 1日15~20g | 筋肉の分解抑制、消化管機能のサポート、免疫力向上、傷の修復 |
代表的なアミノ酸のトレーニング用サプリにはBCAAやEAA、グルタミン、クレアチンなどが上げられます。それぞれ用途が異なりますが、正しく摂取することで効果が期待できます。
私はアミノ酸のサプリを摂取してから、挙上重量や体型の見た目の変化のスピードが早くなった気がします。アミノ酸のサプリはトレーニーにとって欠かせない存在です。
筆者のおススメアミノ酸系サプリとその理由を教えてください。
私のおすすめのアミノ酸系サプリはEAAとグルタミンです。
EAAは必須アミノ酸がすべて含まれています。BCAAと比べるとさほど効果は変わりませんが、必須アミノ酸の量が多いEAAを摂取しています。
二つ目はグルタミンです。グルタミンを摂取すると次の日の筋肉痛の度合いがかなり変わります。毎回のトレーニングで万全な状態で臨むことができるようになります。