私が山に登る理由 - ジュエリーデザイナー YURI MIYATAさん -

YURI MIYATA

岡山県倉敷市出身。
大学でセラミックデザインを学んだ後、名古屋の洋食器会社に形状デザイナーとして5年間勤務。25才で初めて富士山に登ったことをきっかけに様々な山へ行くようになり、森の植物などの自然の形に惹かれ退職後、2015年よりアクセサリーの制作・YURI MIYATA をスタート。現在は山と制作を繰り返しながら、東京を拠点に活動中。

自然からインスピレーションをもらい、心を整える。

私にとって山登りは、自然からインスピレーションをもらう時間であり、普段のものごとに対する考え方を整理したり、普段の暮らし方を見直す時間になっているような気がします。山登りっていうと辛そうな印象を抱く方もいると思うのですが、私は植物の写真を撮ったり綺麗な景色を眺めたり、一歩一歩自分のペースで歩きながら楽しい時間を過ごしています。

photo by : YURI MIYATA

山の植物は見たことのない特徴のある形や、同じ植物でも季節によって全然違ったフォルムをしているので、そういった形を眺めるのがとても面白いなと感じます。ふと見上げたときの美しい景色を写真に収めたり、道ですれ違う方と挨拶したり、頂上に登るというよりもそこに至るまでの出会いがとても好きです。また歩いているときは無心になっていることが多いのですが、そういった時間がなんだか自分の中で普段の物事や考えを整理する時間になっているみたいで。下山すると不思議と考えがすっきりしていて、また気持ちよくいつもの毎日に戻ることができます。

富士山の頂上から見た忘れられない風景。

いまでこそ山登りにどっぷりと山の魅力にはまってしまいましたが、最初に山に登ろうと思ったのはどちらかというと遅い方で、25歳の時に富士登山のツアーに申し込んだのがきっかけでした。当時周りに富士山に登ったという知人が多くて、せっかくなら自分も一度は日本一の山に登ってみたいな、と思いツアーに申し込んだのが始まりでした。ザックと靴とレインウェアなど、山に登るための最低限の装備を揃えて、あまり山の事を深く知らずに初めて富士登山に挑戦しました。いま思うとよく登ったものだなと思います。笑

photo by : YURI MIYATA

富士山の5合目あたりからインストラクターさんと一緒に登って、8合目の山小屋で仮眠をとってから深夜にまた出発して、頂上でご来光を眺めました。当時は初めての登山だったので、山小屋や登山道での混雑や、夏なのに身も凍るほどの山頂での寒さなど、全てが新鮮な体験でした。また、富士山はさすが日本一の山で、頂上から眺めるご来光は息を飲むくらい綺麗で、周りには一面見事な雲海が広がっていて、心に刻まれるような景色を目にすることが出来ました。いまでも本当に良い経験だったと感じています。

そこからせっかく装備を揃えたのでほかの山も登ってみたいなという気持ちが芽生えて、日帰りの登山からテント泊まで、段々と山登りの魅力にはまっていきました。そのうちに海外でもトレッキングを経験してみたくなり、ロングトレイルのメッカでもあるアメリカのヨセミテ国立自然公園やアイスランドまでトレッキングに行ったりもしました。どの山もそれぞれの魅力があって、山の数だけ素敵な思い出が詰まっています。

山登りは自分に合った楽しみ方が見つけられる。

私は山に登る人の中では体力がある方ではないと思います。もともと運動もそこまで得意な方ではないのですが、植物を眺めたり綺麗な景色を写真におさめたり、自分にあった登り方を楽しんでいます。頂上を目指さなきゃいけないというわけでもないし、自然に囲まれた道を気持ちよくぶらぶらと歩くだけでもいい。山小屋の美味しい食事を楽しんでもいい。自分自身の体力や休みの日数、好きなことや興味のあることに合わせて、それぞれの楽しみ方を見つけられるのが山登りだと思います。

photo by : YURI MIYATA

山登りにはまってきた当初は、とにかくいろいろな山を歩いてみたくてタイトな予定を立てて登っていたりもしたのですが、ある山で素敵なご夫婦に出会って考えが変化しました。どこまで行くんですかとちょっとした会話になったときに奥様が、「山頂で一泊して、さらに奥の山まで向かおうかなと思っているのよ。」と楽しそうにお話されていて、時間にとらわれずにのんびりと過ごしている姿にとても惹かれました。それ以来私も無理せずにゆったりしたスケジュールで登るスタイルに変わってゆきました。計画通りにコースを楽しんだり、日程に余裕があるときは体調や天候次第でもう一泊してみたり、その時々に合った楽しみ方を大切にしています。

これから山に登ろうと思っている女性に向けて。

ぜひ自分分だけの山の楽しみ方を見つけてもらえたらいいなと思います。好きなことや楽しいことって人それぞれ。山の自然や美しい景色。友人とのんびり過ごす時間。黙々と登る時間。山頂に登った時のやり切った爽快感。山小屋の温かくてや優しい空気。テントから見上げる満天の星空。私が山で出会ったり、山を通じて知り合った方はみんなそれぞれで自由に山の楽しみ方を見つけているように思います。

photo by : YURI MIYATA

私は最初は山登りってみんなが同じルートをただ単純に歩いていくものだと思っていたのですが、頂上への登る道のりは同じでもどれくらいの時間やペースで登るのかは全然違くて。その中でどんなものを見てどんな経験をするのかは人によって本当に様々なのだろうなと思います。頂上に登らなくても、ペースが遅くても途中で下山してしまったっていい。これが正解だという登り方はなくて、気負わずに自然の中に身を置くことで、きっと心も頭もすっきりするんじゃないかなと思います。だからどんな人でも楽しめる魅力が山にはあるかなって。

ライフスタイルや年齢によって興味のあるものごとや体力、自分の周りの環境も変わってくると思うのですが、そのときの自分に合った山の楽しみ方を見つけられるのかなって思います。自分にとってはきっと山は一生の趣味なんじゃないかな。どんなに忙しいときも大変な時も、きらきらと降り注ぐ木漏れ日や新鮮な空気を肌に感じながら森の中を歩いていると、それだけで山に来てよかったと思えてきます。無心で歩いているうちに気持ちの自然と整理されて、また新しい気持ちで日常に戻れます。

自然から感じる思いをかたちに。これからの森づくりのこと。

普段は山で見つけた植物や景色、それから実際に歩いてその場で感じたことを大事にしながらデザインと制作を行っています。ゆっくりと歩く山は、普段の生活より小さなことに気づくことができます。足元の小さな植物のフォルムや、木々の間から差す光の繊細さなどに心を動かされながら忘れないようにと。何気ない瞬間を記憶に留めそのときに感じたことを街に戻っても思い出し、考えながら作品の制作を続けています。身につける方の普段の生活の中で、山や自然の空気を感じてもらえたらとても嬉しいです。

photo by : YURI MIYATA

最近は自身のブランドとは別に、森づくりのへの取り組みに参加するようになりました。昨年の台風でたくさんの登山道が崩れてしまったニュースを見て、いつの間にか元どおりになっている登山道やずっと守り続けられている山の自然は誰がどうやって管理しているんだろうと、ふと気になったことがきっかけでした。私は山の自然や景色からたくさんのものをもらっているので、今度は自分自身からも何かを返したい。そんな思いから森づくりフォーラムという団体の活動に参加するようになりました。今年YURI MIYATAとして手ぬぐいを制作したのですが、売り上げの一部は森づくりに寄付されるようになっています。

photo by : YURI MIYATA

制作を通して、もし山に興味がある方がいたら、商品の方もぜひご覧いただけたら嬉しいです。今後も日本の山や森、そして自然を守っていく活動に少しでも貢献できたらなと考えています。そして私が感じた山や森・自然の魅力を同じ世代だけでなく、これからずっと後の世代にも感じてもらえたら素敵だな、なんて考えています。

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あなただけの山の楽しみ方がきっと見つかる。

photo by : YURI MIYATA

山の自然や景色だけではなくて、楽しみは本当にたくさんあると思います。今日持ってきたお菓子をいつ食べようかなとか。静かなテントの中で本を読むのんびりした時間だったり。物に溢れている日常から離れるからこそ、小さなことでも山では大きな喜びになるように感じます。あなたが心地良いと思う山との関わり方や距離。あなただけの山の楽しみ方をぜひ探してみてください。

  • この記事を書いた人
vells編集部員 キクチ

vells編集部員 キクチ

たくさんの人に楽しんでもらえて思わず運動したいと思ってもらえるような、そんな気持ち良い毎日が過ごせる情報を日々発信してゆきます。

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