動画付|代表的なヨガの呼吸法5つを基本から丁寧にご紹介!

自宅でヨガを始める前に

ヨガのポーズは簡単そうに見えるものもありますが、誤った態勢のままポーズをとると頸椎や背中、腰などに負荷がかかってしまうこともあります。 普段あまり運動をしていない方やヨガ初心者の方は、からだを痛めてしまう危険もあるため、自宅でヨガをする際は無理をしないよう注意して取組んでください。

ヨガを始めたものの呼吸法が難しい、上手くできているのか不安、そう思う人が多いのではないでしょうか。

普段は無意識にしている呼吸をヨガではあえて意識的に行うので、苦しかったり難しいと感じてしまう方も多いのです。でも苦手意識を克服すれば、ヨガの呼吸からのメリットをたくさん受け取ることができます。

この記事では、ヨガの代表的な5つの呼吸法や行いやすくなるポーズを紹介します。身体へのメリットやうまくできない時のコツも詳しく解説するので参考にしてくださいね。

ヨガの呼吸法を取り入れて欲しいのはこんな人

  • ボディラインを引き締めたい
  • 内臓の調子を良くしたい
  • 太りにくい体質になりたい
  • 冷え性を改善したい
  • メンタルの調子を整えたい

ヨーガの呼吸法は、腹部・胸部・頸肩部の呼吸筋を鍛えたり、筋肉や脳循環を促す効果が期待されます。また呼吸は、心と体の架け橋として心理状態を調節すると言われており、瞑想の準備段階として呼吸法を行うことで、精神的安寧効果を高めてくれます。

出店:公衆衛生72巻2号 ヨーガの呼吸法による心身への影響と予防医学的効用

ヨガの呼吸法を行うと心身トータルでの健康効果が上昇します。身体の内側にあるインナーマッスルを強化して血液やリンパ液などの体液循環を促進、自律神経を調整して心の状態も整える作用もあるのです。

痩せたいけどキツい運動はしたくない人、更年期の症状や慢性的な不調に悩む人にもおすすめです。

 

ヨガの呼吸法とは?

やり方も名前も難しいヨガの呼吸法、どのような目的やメリットがあるのかを解説します。

ヨガで行う呼吸は単なる生命維持活動はありません。身体の内側と外側にある生命エネルギーを調和させるという意味合いがある大切なものなのです。

呼吸によってヨガの瞑想がしやすくなる

ヨガの呼吸法は深い腹式呼吸、お腹を膨らませて息を吸い込み、へこませながら息を吐き出します。

鼻から息を深く吸い込んだり吐き出したりすることに集中するので、雑念が取り払われ頭がクリアになって瞑想がしやすくなります

近年日常生活の中に取り入れる人が多い『マインドフルネス』の元となっているのはヨガの呼吸法。今この瞬間の呼吸だけに意識を向け、一切の判断をせずに全てを受け入れる状態になれるのが特徴です。

自立神経を整える効果とそのメリット

ヨガの呼吸法には自律神経のバランスを整える効果を期待することができます。

自律神経には活動時に優位になる『交感神経』と、睡眠時に優位になる『副交感神経』分けられます。ヨガの呼吸法では主に副交感神経の働きが促進され、自然な状態で身体をうまく休ませる効果があります。

ストレスフルな生活では交感神経が高ぶりやすいもの。ヨガの呼吸法で意識的に副交感神経を高めることで、心身ともに健康を保てるのがメリットです。

ヨガの呼吸法をする際におすすめのポーズ

座るスペースさえあればすぐできる、ヨガの呼吸法おすすめポーズです。ヨガウェアやマットも必要ないので、読みながら試してみてくださいね。


安楽座(スカーサナ)

安楽座(スカーサナ)のやり方

  1. 両足をまっすぐ前に伸ばして床の上に座る
  2. すねを交差させて『あぐら』をかく
  3. 両手を身体の前について重心を乗せ、骨盤を立てて座り直す
  4. 座骨を安定させて両手のひらを腿の上に上向きに置く

普段から『あぐら』をかく習慣がない人や膝に違和感がある場合は、クッションや折りたたんだブランケットなどを用意します。身体の真後ろに置き、手前側のヘリにお尻を乗せると楽にポーズが取れます。

腰を反らせずに、まっすぐ天井に釣り上げられるようなイメージで座りましょう。

こんな時・こんな人におすすめ

スカーサナの『スカ』は『楽な』という意味で、心も身体も楽にして座るのがポイント。ヨガの基本ポーズで、心を安定させたい時におすすめです。

イライラしたり眠れなかったりという時にはリラックスできて、瞑想するのにもぴったりなポーズ。呼吸法をマスターするのに最適で、集中力を高めたり姿勢を整えたい人にも向いています。

動画付|ヨガの代表的な5つの呼吸法

覚えきれないほどたくさんのヨガの呼吸法の中から、代表的な5つを紹介します。

うまくできない人にもわかりやすいインストラクション動画をピックアップしているので、一緒にやってみましょう。

ヨガの呼吸法|1、腹式呼吸

腹式呼吸のやり方

鼻から吸って鼻から吐くのが腹式呼吸の基本です。

安楽座のポーズをとってリラックスして行いましょう。横隔膜を意識して息を吸い込みながらお腹を大きく膨らませ、吐きながらへこませます

お腹を大きく動かしますが、背筋はまっすぐで腰が反らないようにするのがポイント。息が苦しくなるほど大きな呼吸をしなくても大丈夫ですよ。

こんな時・こんな人におすすめ

腹式呼吸は副交感神経を高める効果があるので、寝る前やリラックスしたい時に特におすすめです。

また、インナーマッスルを強化して脂肪燃焼効果を促進することから、ダイエット効果を高めたい人にも向いています。

お腹を大きく動かすことで腹部を無理なく自然にマッサージする効果もあるので、便秘気味の人にもぴったりですよ。

うまくできないときのコツや注意点

『吸い過ぎず、吐き過ぎず』を意識しましょう。呼吸の長さに注目しすぎると苦しいので、普段よりも深くスーッとお腹に空気が出入りするイメージを持つと良いですよ。

日常的に口呼吸になっている人には少し難しいかもしれませんが、空気の流れを鼻だけで感じるようにして繰り返せば上手にできるようになります。


ヨガの呼吸法|2、ウジャイ呼吸

ウジャイ呼吸のやり方

ウジャイ呼吸は普段と同じ胸式呼吸で、鼻から息を吸い込んで鼻から吐き出します。

喉を少し閉じて行うのが特徴で、寝息のような音を立てることを意識しましょう。喉の奥を空気が通るのを感じながら行うのがポイントです。

うまくできるようになったら、吸い込んだ時の2倍の時間をかけてゆっくりと息を吐き出します

こんな時・こんな人におすすめ

喉を通りながら温まった空気が身体中に行きわたるので、冷えが気になる人におすすめです。

交感神経を活発にして身体を温める効果が高く、眠気を冷ましてシャキッとしたい時に最適です。

呼吸をする音がさらに集中力を高めることから、瞑想状態を深めながらリラックスすることができます。

うまくできないときのコツや注意点

一番簡単な方法は『狸寝入り』の要領で、大げさに寝息を立てるように呼吸することです。

冷たくかじかんだ手に「ハーッ」と息を吹きかけるイメージでも良いのですが、口から息を吐かないようにしましょう。


ヨガの呼吸法|3、カパラバティ呼吸

カパラバティ呼吸のやり方

『火の呼吸』の名前を持つカパラバティ呼吸は、鼻から吸い込んだ息をリズミカルに鼻から吐き出す呼吸法です。

吐き出す時に腹筋の力を使うのがポイントで、肩や他の部位には力を入れずリラックスして行いましょう。最後はおへそが背骨にくっつくイメージで吐き切るのがコツです。

こんな時・こんな人におすすめ

脳を活性化する効果があるので、ネガティブ思考を解消してアクティブに過ごしたい人におすすめです。

意外とエネルギーを消費する呼吸法で、痩せたい人の代謝UPにも適しています。鼻や喉・呼吸器を浄化する作用が高く、花粉症の鼻づまり解消・風邪が治りきれずに残ってしまう不快な症状を改善するのにもぴったりです。

強めの腹圧をかけながら身体の中に空気の流れを生み出す作用があるため、内臓の活性化やウエストの引き締め効果もあります。

うまくできないときのコツや注意点

カパラバティ呼吸は少し難しい呼吸法ですが、うまくできない時には『おへそ』をへこませるように吐くとやりやすくなります。

慣れるまでは吸い込むことよりも吐くことに集中して、回数も少なめで行います。無理に続けると苦しくて疲労感が溜まることもあるので注意しましょう。


ヨガの呼吸法|4、シータリー呼吸

引用:YouTube Being

シータリー呼吸のやり方

シータリー呼吸は口から吸い込んで鼻から吐く呼吸法、名前には『熱を冷ます』という意味があります。

舌をストローのようにちょっと丸めたら「シー」と音を立てるイメージで息を吸い込みましょう。肺の中が冷たい空気で満ちるのを感じたら呼吸を少しだけ止めるのがポイント。

舌を戻して口を閉じたら、ウジャイ呼吸の要領で喉を軽く締めながらゆっくりと鼻から吐き出します

こんな時・こんな人におすすめ

運動後に上昇した体温や、日光に当たり身体に溜まった熱を冷ましたい時のクールダウンにおすすめです。疲労回復を促進する作用もあるので、運動後に最適な呼吸法です。

副交感神経を優位にして、寝苦しい夏の夜でもぐっすり快眠できるよう導きます。喉の渇きを和らげる効果もあるため、夏場に冷たいドリンクを飲み過ぎて身体が冷える人にも良いですね。

うまくできないときのコツや注意点

シータリー呼吸は舌を丸めるのがうまくできない人が多いです。そんな時には舌先を丸めない簡単な方法があります。

舌先を下の歯の根元につけて口角を横に広げ、上の歯と下の間から「シー」と音を立てながら息を吸い込むとうまくできますよ。

ストローでドリンクを吸っている自分を想像しながら行うと簡単です。


ヨガの呼吸法|5、片鼻呼吸

引用:YouTube studio yoggy

片鼻呼吸のやり方

片鼻呼吸は『気の通り道を浄化する』という意味の名前がついた呼吸法です。鼻から吸って鼻から吐く呼吸で、安楽座でなく立ったままでも行えます。

他の呼吸法とは違って指を使うので、わかりやすいように順を追って説明します。

  1. 右手の人差し指と中指を折りたたむ
  2. 親指で右鼻を塞ぎ、左鼻から息を吐く。
  3. そのまま左鼻から息を吸い込んだら、薬指で左鼻を押さえ息を止める
  4. 親指を右鼻から離して息を吐く
  5. そのまま右鼻から息を吸い込み、親指で右鼻を塞いで息を止める
  6. 薬指を左鼻から離して息を吐く

吸う息と吐く息は同じ長さで、間で呼吸を一旦止めるのがポイントです。右鼻で吸って吐く⇒左鼻で吸って吐く⇒右鼻で〜と左右の鼻で交互に呼吸しましょう。

こんな時・こんな人におすすめ

片鼻呼吸は不安感やストレスを感じている時に行うと、自律神経を調整して気持ちを落ち着ける効果があります。

風邪をひきやすい人が毎日行うことで、免疫力を高める作用も期待できます。インフルエンザなどが流行する冬場に特に行いたい呼吸法です。

やる気が起きない時や集中力を高めたい時にもおすすめの呼吸法ですよ。

うまくできないときのコツや注意点

ヨガの呼吸法の中でも、片鼻呼吸がいちばん難しいという人が多いです。はじめのうちは指や鼻に気を取られてうまくできないかもしれません。

安楽座やはじめのねりじのポーズにこだわらず、まずはゆったりと呼吸することに意識を集中してみましょう。苦しいと感じることもあるので慣れるまでは呼吸を止めずに行うと良いですよ。

ヨガの呼吸法|Q&A

ヨガの呼吸法は痩せるって本当?

ヨガの呼吸法で痩せると言い切るのはちょっと難しいですが、ダイエットにつながる効果はあります

普段鍛えるのが難しいインナーマッスルを強化するヨガの呼吸法は、太りにくく痩せやすい体質に改善する作用があります。

インナーマッスルだけではなく全身の筋肉をしっかり強くするので、基礎代謝と脂肪の燃焼効率が同時に上がるというデータがあります。また、血行が促進されるのでむくみ太りがスッキリする作用が高いのもヨガの呼吸法の特徴です。

大幅なダイエットではなく余計についた脂肪を燃焼させて、一人ひとりに合う健康的な体格にする効果はあります。

まとめ

今回は、代表的なヨガの呼吸法を5つご紹介しました。

うまくできないと悩む人にもわかりやすいインストラクション動画をピックアップしたので、今日からすぐに練習できますね。

呼吸するだけで自律神経を整えてメンタルの調子を整える、内臓の調子を良くしたり更年期特有の症状を改善する作用も期待できます。

気持ちも身体も安定させるヨガの呼吸法、自宅でも職場でもどこでもできるものなので、ぜひトライしてみてくださいね。

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さとうちかこ

「健全なる肉体の中に、健全なる心」がモットーの体育会系フリーライター。運動生理学とストレスマネジメントにより『良く生きる方法』を探求中。鋼の肉体としなやかな精神を維持するためにピラティスと自重トレーニングが欠かせない日課。

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