この時期は雨が多く、外出が億劫に感じたり気分が落ち込んだりしますよね。外出をしないから余計に体を動かす機会が減り、体もだんだんと怠く疲れやすくなっていると思います。
そんなあなたに今回は、自宅でちょっとしたスペースがあれば簡単に行える「疲労回復ストレッチ」をご紹介します。
ストレッチで疲労回復が出来る理由は?
体が疲労を感じる原因は主に「精神的」「身体的」によるものだと考えられます。
特に現代はITが普及して久しく、デスクワークに伴う肩こり腰痛や交通機関の発達による日常での運動時間の減少等、体を動かす時間の減少や長時間同じ姿勢でいる機会が多く、そのため少し体を動かすだけで身体的疲労を感じることが多くなっています。
身体的疲労は、一定時間同じ姿勢でいるがために筋量に見合った筋出力が出ず、少ない筋活動量で乳酸等の代謝物が蓄積してしまったり、血流の滞りによる組織への栄養素の運搬率の低下等が主な原因で発生します。
身体的疲労の改善にはこれらをどうにかする必要があリます。では改善には何をすると良いのでしょうか。
ずばり筋肉の柔軟性向上です。柔軟性が低下している時、筋肉は短く縮み固くなっています。
筋肉は十分に伸び縮みすることで確かな力を発揮するため、縮んでいる状態では先程も述べたように筋量に見合った筋出力が発揮されずに乳酸等の代謝物が産出されやすくなります。
また、柔軟性が低下している状態では、筋によって血管等の周辺組織が圧迫され血流の滞りが生まれます。血流の滞りが起こると組織への栄養素が十分に行き渡らなくなってしまいます。
以上のことから、筋肉の柔軟性の低下=身体的疲労に繋がります。よって、ストレッチをし柔軟性の向上を図ることによって疲労回復効果が望めます。
ストレッチは全身行うのが好ましいですが、特に大きな筋群をストレッチすると他の筋肉を伸ばすのに比べ血流の循環が良くなるため、ふくらはぎ、太腿、腰、背中などをストレッチすると大きな効果が期待できます。
疲労回復のストレッチを習慣的に行うメリット
メリット1:睡眠の質の向上
睡眠の質とは寝付きやすさ・眠りの深さです。先程も述べたように、筋肉の柔軟性が低下している状態は筋肉が短く固まり縮んでいる状態です。
その状態では筋量に見合った筋出力が発揮されず、本来より少ない筋活動でも乳酸等の蓄積が促進されます。
この乳酸等が産出される代謝は交感神経を活性化し、呼吸を行う「呼吸筋」をはじめとする自律神経が優位な時に活動する筋緊張が発生してしまいます。
これら筋肉の緊張は、人間がほぼ無意識に行っている呼吸などの運動の出力低下、呼吸の浅さに繋がります。
呼吸が浅くなると寝付きの悪さやレム睡眠の増加につながってしまうため、柔軟性が向上すると呼吸筋の緊張が減少し、睡眠の質が改善されるでしょう。
メリット2:肩こりの軽減
肩こりは「僧帽筋」という筋肉の緊張により血管が圧迫され血流の滞りが起こり、老廃物等が適切に排出されない・栄養素が行き渡りにくい状態が主な原因として考えられます。
これらの解消のためには主に肩周りの筋肉をストレッチすることで解消する場合があります。
メリット3:怪我の予防
体が疲労を感じているとき、その時に筋肉は固く縮んでいます。
筋肉が固く縮んでいる状態では関節可動域が充分に取れず、いつもの感覚で少し激しく動かすと腱や筋肉と骨の付着部分の炎症を起こす可能性があります。
怪我を未然に防ぐためにもストレッチは欠かせません。
【疲労回復のストレッチ】やる際に気をつけること!
- リラックス効果を望みたいので、落ち着ける環境で行いましょう。
- 反動を使わずにゆっくりと行いましょう。
- 体が温まっている時に行いましょう。
疲労回復に効果的なストレッチ3選
このストレッチでは全身の中でも、体の側面に位置する筋肉を伸ばすことが出来ます。主に伸びる筋肉は「広背筋」「腹斜筋」「大腿筋膜張筋」など体側面に位置する筋肉です。全身をゆっくりと伸ばすことで高いリラックス効果がのぞめます。 Point1.呼吸を止めずに行う Point2.リラックスが目的なので、力んで頑張ろうとしない。 Point3.上下に伸び上がる意識で行う。全身の伸びに効果的なストレッチ|バナナ
バナナのストレッチ手順
バナナのストレッチポイント
こちらのストレッチでは、主に内ももの「内転筋群」等股関節に関与する筋群を伸ばすことができます。これらの筋肉は日常で柔軟性が低下しやすい部位なので、しっかり伸ばしましょう。 Point1.無理に膝を床と近づけず、自身の可動範囲から少しだけ広げるイメージで行う。 Point2.痛みが発生するとストレッチの効果が得られないため、痛みが発生しない範囲で行う。 Point3.深呼吸をしながら行う。下半身の脱力に効果的なストレッチ|インナーバタフライ
インナーバタフライのストレッチ手順
インナーバタフライのストレッチポイント
この種目は、まるで赤ちゃんが仰向けでゴロゴロ寝転ぶような姿勢で行うのが特徴です。主に下半身と腰部のリラックスを目的とし、下半身の中でも特にお尻の筋肉のリラックス効果が望めます。 また普段の生活で末端(ふくらはぎ)に滞りやすい血流を心臓まで戻してくれる効果も期待できるので、ふくらはぎのリラックス効果も期待できるでしょう。 Point1.腰を痛める可能性があるため、無理に脚を頭の方へと持ち上げないようにしましょう。 Point2.足の裏を引き下げる力と、脚を天井の方へ押す力を釣りあわせましょう。 Point3.足の裏をつかめない場合は、タオルなどを足の裏にかけて行いましょう。 家で過ごす連休の気持ちを晴らす為のアーサナ 普段何かと忙しくしていて連休はお家でゆっくりたいと思う方も多いと思います。 あれやらなきゃ!こうでなくちゃいけないのに!と日々追われるように生活している現代 ... 続きを見る腰の疲れ(下半身の脱力、腰の脱力)に効果的なストレッチ|ハッピーベイビー
ハッピーベイビーのストレッチ手順
ハッピーベイビーのストレッチポイント
ハッピーベイビーについて詳しく知りたい方はコチラ!
疲労回復、むくみ改善!ハッピーベイビー#19
疲労回復のストレッチに関するQ&A
Q1.おススメの強度や回数はありますか?
ストレッチを行うに当たり、おすすめの頻度は毎日行うことです。柔軟性は何もしなければ日々低下してしまうので、習慣化しましょう。
ストレッチの強度は、「伸びているな」と感じるのが適度な強度になります。痛くても無理に伸ばしたほうがいい、というのは間違った認識です。痛みとは体の防衛反応です。
伸ばされ痛みが発生するときは、筋肉が引きちぎられないように緊張して力が入っているということになるので、ストレッチの目的に反してしまいます。
適度に「伸びているな」と感じる程度の伸び感ですと、筋の感覚器、神経系に余計なストレスをかけずに柔軟性を向上できます。
伸ばす長さは、2分ほど行いましょう。意外に長く感じると思われますが、2分ほど経過すると神経系の防衛反応(切れないように緊張する)が収まり、柔軟性が向上できます。
以上をまとめると、「痛みを感じない範囲で、毎日2分間伸ばす」というのがストレッチを行う際に押さえておいたほうが良いおすすめポイントになります。
Q2.疲労回復の食事って何がいいの?
疲労回復には、疲労物質である抗酸化物質等を除去してくれるビタミンA,C,Eが含まれる食品と、エネルギー産生栄養素の代謝を手助けしてくれるビタミンB群等が含まれる食品をおすすめします。
加えて、血管拡張作用のあるアミノ酸の一種であるシトルリンやアルギニンなどが含まれる食材も、摂取すると血流循環が良くなり体への栄養素の循環がスムーズになり疲労回復が望めるでしょう。
具体的には、人参、かぼちゃ、ほうれん草、ピーマン、ブロッコリー、じゃがいも、玉ねぎ、スイカ、大豆、鶏卵等の野菜類、種子類、魚、肉などがおすすめ食材になります。これらの食材を意識して使用し、彩り豊かな食事を心がけましょう。
Q3.疲労回復のマッサージってどれがおすすめ?
疲労回復マッサージのおすすめは、ふくらはぎのマッサージです。ふくらはぎは「第二の心臓」と呼ばれるほど血液循環に大切な部位で、ふくらはぎが固くなり血流が滞ると心臓に戻る血液量が低下します。
ふくらはぎが適切な柔らかさを持っていると、筋肉の収縮で血管を圧迫して心臓に戻す働き「ミルキングアクション」が適切に行われ、血液の循環が良くなります。血液の循環が良くなれば、疲労物質の排出や栄養素の分配も適切に行われ、疲労回復につながるでしょう。
以下におすすめのマッサージをご紹介します。
ふくらはぎ全体マッサージ
ふくらはぎのマッサージを行うにあたり、こちらの動画をおすすめします。ふくらはぎは、7種類の筋肉で構成されています。
こちらの動画では、ふくらはぎマッサージの動画の中でも構成する多くの筋に対してアプローチをかけていて、かつわかりやすい内容だと感じたため、皆様も実行しやすいのではないのかと思います。
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回ご紹介した内容をぜひ実践していただいて、少しでも皆様の疲労回復に貢献できれば幸いです。
疲労回復には毎日のストレッチと確かな栄養素の摂取、適度な運動が大事になってきます。ぜひ継続して、疲労と無縁な体作りをしましょう!