コーヒーを飲んでから運動するとやせるってホント？｜教えて小山先生！#35

教えて小山先生！第35弾の今回は「コーヒーを飲んでから運動するとやせるってホント？」そんなお悩みをVells編集部が小山先生に聞いてみました。

小山先生

小山　啓太

トレーナー歴20年。NATA-ATC。2020年よりエビジムのトレーナーに。

1978年1月22日生まれ。北海道札幌市出身。立正大学法学部を卒業後アメリカに渡り、エンポリア州立大学大学院スポーツ医科学専攻課程と、セントラルミシガン大学大学院運動科学専攻課程を修了。オリンピック選手やプロのアスリートのトレーナーとして活躍。障害者スポーツについて学び、帰国後は群馬大学にて教鞭を取り、運動と脳の働きを研究。２０１８年英国ケンブリッジ大学での世界教育会議にて最優秀研究発表賞受賞。プロアスリート、モデルや芸能人から一般の方まで幅広く正しい体の使い方、運動法や生活習慣の指導を行っている。

体や脳、運動に関する著書も多数執筆。『0歳からのボール遊び運動 "投げる"が脳と体を育む』『野球選手のTHE肉体改造』『現代社会のスポーツ総合学 1―スポーツとともに生きるエキスパート達の提言 (グリーンブックレット)』他

1 コーヒーの健康効果とは？
2 コーヒーのデメリットってあるの？
3 コーヒーの驚くべき運動効果
4 コーヒーを飲むなら運動前、それとも後？
5 1日にどのくらいの量飲んでも良いの？
6 女性の身体のお悩み解決記事はこちら！
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コーヒー好きにとって、寒い冬の朝、あたたかいコーヒーをゆっくりと楽しむことは何よりも至福の時であり、1日のはじまりには欠かせませんよね。頭をスッキリさせ、エネルギーを与えてくれます。

コーヒーのようにマジックを起こしてくれるものはキッチンのどこを探しても見当たりません。最近では、このコーヒーの健康効果も多数報告されるようになり、ますます飲む人が増えているようです。

では、運動とコーヒーの関係はどうなのでしょうか？

コーヒーの健康効果とは？

コーヒー　女性

まずは、コーヒーの健康効果から見ていきましょう。

①頭がすっきり、よく働く

多くのエナジードリンクやエナジーバー、サプリメントなどにもカフェインが含まれている通り、カフェインが脳を覚醒、活性化します。

しかし、コーヒーにはもっとすぐれた効果があることが最新研究で解明されています。サプリメントなどと比べ、コーヒーに含まれるカフェインは、やる気や集中力に影響するノルエピネフリンやドーパミンといった脳内物質をより活性すると言われます。

コーヒーには、頭の回転をよくして仕事効率を上げる高い効果が期待できるのです。神経薬学の研究では、カフェインにより、特に脳の前頭前野が活性化され、計画性、思慮深さ、集中力が高まると報告しています。

②実は栄養たっぷり

あまり知られていませんが、コーヒーにはたくさんの栄養素が豊富に含まれています。赤血球の産生に係るビタミンB5、代謝を促進したり骨の形成に影響するマンガン、血圧を下げるポタジウム、眠の質を上げてエネルギー産生を促すマグネシウム、美しいお肌や代謝に欠かせないナイアシンなどなど。

他にもガン予防や糖尿病予防にも効果が期待できるとする報告も多数あるほどです。

③アンチエイジング効果も

コーヒーには抗酸化物質、ポリフェノールが豊富に含まれています。コーヒーをよく飲む国では、野菜やフルーツなどからよりも多くの抗酸化物質をコーヒーから摂取しており、それが心身の健康や美容に良い影響を与えているとしています。

コーヒーのデメリットってあるの？

コーヒーを淹れる

①カフェインの過剰摂取

コーヒーはカフェイン含有量が多いため、摂取しすぎると倦怠感や不眠の原因となり得ます。その結果、慢性疲労や注意散漫などを引き起こします。

カフェインは神経系を刺激します。摂取量には気をつけないと手や指先の震え、緊張などの症状があらわれることも間々あります。

どのくらいカフェインを摂ってもよいかは個人差がありますが、1日3杯を目安にするのが良いと言われることが多いようです。

②動悸、息切れ

カフェインは心拍や呼吸を速くし、興奮状態を生み出します。コーヒーの飲み過ぎにより危険な副作用リスクが高まります。

先行研究では、１日に４杯を超えるコーヒー摂取により、頭痛、手の震え、不眠症などが起こるリスクが高まるとしています。

③中毒症状と禁断症状

コーヒーを頻繁に飲むとやめられなくなることも注意するべき点です。とくに一日に何杯も飲んでしまうような人は、飲まないと禁断症状を感じたりもします。

コーヒーの作用には個人差がありますので、効能や副作用の現れ方もそれぞれに異なります。神経質になりすぎずに、飲み過ぎに注意していれば、楽しみながら健康効果が期待できます。

コーヒーの驚くべき運動効果

運動後にコーヒーを飲む女性

より多くの脂肪を燃焼できる！

先行研究では、運動前にコーヒーを飲むと運動から3時間後のカロリー燃焼量が15%も多くなるとしています。

また、2014年に米国生理学学会で報告された研究によると、運動前にコーヒーを飲むことで代謝を促し、より脂肪を燃焼するだけではなく、普段はキツく辛い運動も楽に感じ、楽しく行える傾向があると示しています。

運動が苦手な人にとっては、まさに魔法の良薬となり、運動を楽しく行いながら、痩せられる効果が期待できるのです。

トレーニング後の筋肉痛をやわらげる！

米国ロードアイランド大学の研究報告では、運動前にカフェインを摂取することで、翌日などに起こる筋肉痛（遅発性筋肉痛）を防ぎ、筋肉の回復を促す効果が期待できるとしています。

また、運動前にコーヒーを飲むことで、普段は途中で諦めてしまいそうなキツイトレーニングに対して、諦めずに最後までやりきれる傾向が示されています。

いつもよりキツイトレーニングを頑張り抜けて、しっかり痩せられて、筋肉痛にならないなんて、コーヒーを試してみる価値はあるかもしれませんね。

コーヒーを飲むなら運動前、それとも後？

アイスコーヒー

運動前に飲むと最強アスリートになれる！？

コーヒーにより神経系が覚醒、刺激されることで身体能力の引き上げ効果が期待できるという研究報告があります。

さらに、カフェインにより、からだに蓄積された贅肉たちの中にある脂肪細胞を分解するシグナルが促されることで、脂肪燃焼効果が期待できるとも言われます。

アドレナリン分泌が高まることで、普段よりも速く走れたり、強く力を出せる効果もあり、運動強度がますことでの筋力アップやダイエット効果アップも期待できるようです。

どのタイミングで飲めば良いの？

速攻15分で効果が出る

コーヒーは比較的速く吸収され効果が現れる食品です。コーヒー成分が血中に流れ込むまでに早い場合で15分、平均でも30-60分とされます。

カフェイン効果が高いのは飲んでから1-2時間後で、３時間をピークとして６時間ほど残ると言われます。１日のうちのどのタイミングで運動をするかによってコーヒーを飲むべきかも変わってきます。

朝の運動とコーヒー

朝や午前中に運動される方は、まさにコーヒー効果を発揮するのに最適な時間帯です。飲み過ぎにだけ注意して、コーヒーを飲んで頭も心もすっきり目覚めて、トレーニングをより楽しんでください。

ここで、よくある相談が、「コーヒーを飲むとお腹が痛くなる」というものです。一つの解決策としては、ごはん、グラノーラ、パンなど高糖質食品やバナナなどを少量でも一緒に摂ること、またコーヒーと一緒にお水（または白湯）を飲むことです。

強度の高いキツイ運動を行う場合はなおさらエネルギー補給が重要になります。運動前のエネルギー補給を含めて、コーヒーによるお腹への刺激を緩和すると良いかもしれません。また、コーヒーを飲んでから運動するまでの時間を長めにとるなどして、消化時間を十分にとることをオススメします。

夜の運動とコーヒー

午後の遅い時間帯に運動する人は注意が必要です。前述の通り、コーヒーには副作用があり、興奮作用の他に、睡眠の質を下げたり不眠の原因になったりします。

したがって、夕方以降、夜にトレーニングや運動をする習慣の人は、運動前のコーヒーはオススメしません。カフェインの効果はおよそ6時間は持続すると言われます。夜の8時にトレーニングを開始するために7時にコーヒーを飲むとすると、カフェインは深夜まで体内に残り、脳、体、心の休息やリラックスを邪魔し、睡眠の質を下げる原因となりかねません。

コーヒーだけではなく、カフェインを含む飲料を飲む時は、寝る時間から逆算して、8時間より前に飲み、それ以降で、どうしても飲みたいときはデカフェなどに代替するようにしましょう。

プロテインと混ぜて飲んでも効果はあるのか？

市販のものでプロテインにコーヒーの栄養素が掛け合わされているものがありますが、コーヒーにプロテインを混ぜることで減量効果、ワークアウトパフォーマンスの向上、タンパク質摂取量アップなど複数の効果が期待できます。

小山先生おすすめのプロテイン入りコーヒー

引用：Amazon

普段プロテインを飲まない方にもコーヒーのお陰でおいしく抵抗感が無くタンパク質が取れます。ホエイタンパクが10g入っているので、トレーニングされている方から高齢者皆様におすすめです。熱湯・冷水にすぐ溶けるので、シェーカー不要です。オフィスでも気軽に手軽にコーヒーブレイクしながらタンパク質補給が出来ます。